日記後継ブログー2009/7/1 start
日常+雑多メイン。更新停止中
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SRWTもあるけど、こっちを凄く書きたくなったので…。
TRANSFORMERS×GUILTY GEAR
GG熱が押さえ切れなかったんだ…むしろ、ねぇ?(なんだ)
初のギルティ小説がコラボって何してんだろう私ww
別名:難波さん祭り。
果てしなく長いよ! ←
何でこうなったのかと考えるより、ここは何時で何処なのかと調べるのが優先だというもの。それを自然に頭に浮かべ、行動するのは癖とでもいうべきか。
けれども、今回ばかりは「こうなったこと」を考えざるおえなかった。答えはすぐに見つかったけれど。
どしゃっ、といつもの如く飛ばされ受身を取ろうとバランスを崩してしまう。
打ち身に顔をやや歪めながらも立ち上がって辺りを見渡す。そこは広大な砂漠が広がり、人っ子一人いない。かろうじて、休火山と黄土色の物体があるくらいだ。
とりあえず時代を確認すべく、その建物に近づいた。明らかにここは元の時代ではない、だが確認する義務がある。
「っかー、なんか船みたいだな。これ」
黄土色の物体は山に突き刺さっており、その機能を停止しているようだった。
快賊団の船とは出来が違う。人はいないようだが、例の気配も感じられない。
「ちわーっす。誰かいませんかー?」
中は広く、奥が見えない。呼びかけても返事がないのは声が聞こえていないからか、乗員がいないからなのか。
くしゃくしゃとバンダナを巻いた頭を掻き、どうするかと思っていると。
「どうかしたんですか?」
ジープに乗った少年が声をかけてきた。
車から降りて疑うことなく近づいてきてくれた少年に
「ちょーっとヘンなこと聞くけど、今って西暦何年?」
あくまで愛想よく冗談っぽく聞いてみる。バカにされる内容かもしれないが、こちらにとっては死活問題なのだ。
「え、っと、1986年…ですが」
「THANK YOU! あ、ち・な・み・にぃ? 何月何日?」
戸惑いながらも少年が答えれば礼を言って、どうするかと腕を伸ばす。80年代ならばまだ20世紀だが、本来の時代ではない。
せめて知り合いの1人、本人は嫌う例の存在でもある彼がいてくれれば安心できるのだが。
がちゃり、と音がした。
音のしたほうを見れば、そこにはジープではなくロボットがいる。ところどころにジープらしきパーツがついた。
「ふぇっ?」
ロボットはいた。だが、あきらかな機械音とぜんまい仕掛けのような顔の。そのロボットとは程遠いほど、完璧な姿のロボットが目の前にいる。そして、少年は驚く風も無く接しているのだ。
元の時代ではまだお目にしたことのない、二足歩行のロボット。飛ばされた未来ではむしろ失われたテクノロジーとして管理局がつくった友人ベースのロボットしか目にしていない。
「え、あ、あれっ? ジープは? どこ行ったの!?」
キョロキョロと見回してもどこにもない。くすくすと笑い声がして緑色のロボットが掛け声をあげると、瞬く間にジープへと、変形した。
自慢の上着が、肩からずれた気がした。
***
黄土色の船は『アーク』という名前であり、この20世紀は元の時代に近いどころか別世界だというのが分かった。
「空間まで飛んじゃって…俺様ってば天才?」
乾いた笑いしか出ないのは、戻る方法が皆無だからとは口にしない。
なりたくて時間を飛んだわけではない。法力学など、ほぼ体で覚えたようなものだ。難しいとされる雷、時間、空間は知り合いの天才たちに任せるべきだ。最も、時間は使えるようにはなりたいのだが。
「原因は分かるのかね?」
『アーク』にはロボットが大勢いた。この世界に例の存在はなく、純粋に科学が発達しているのだという。法力学
は聞いたことがない、と。
白いロボットが尋ねて、ふと行動を思い返してみる。
「ん~…」
剣士の友人宅でくつろがさせてもらってて、用事を済ませて立派な紅茶を飲みつつ、ふと窓を見れば藪医者が何かを入れたと言っていた。そして突然の感覚。
さーっ、と青ざめていくのが回りの表情から見て取れた。あのロボットには出来ないだろう表情をつくる彼らから。
「わわっ、カップ割れてなきゃいいけどー!? うわーどうしよ、絶対高いよ~!!」
頭を抑えておろおろとしていると、落ち着いてと周りがなだめてくる。それもそうだ、少年以外は己しかいないのだ、ここは大人としてしっかりしなければ…。
「せめて旦那がいてくれればなぁ…」
膝を抱え、指を地面でぐるぐると回す。こういうときほど、会いたくなるというものだ。
がしゃん、と緑と白よりも大きなロボットが、何事かと話している。巨大なモニター、コンピューターだろうかと。
そうしてるうちに、金髪の少女と車椅子に乗った少年が現れた。
少女には反応せざるおえないだろう。
「ヒュー♪ こんな美人さんに会えるなんてね。ねえ君、名前なんていうの?」
さっきまでの落ち込みようはどこにいったんだ、と驚くロボット達を無視し、軽くお辞儀をするとくすりと笑われた。
「お兄さん、お世辞が上手ね。私はカーリーよ」
「本当のことを言ったまでさ。うぅん、素敵だねぇ。やっぱブロンドもいいか、な…と?」
なにやら痛い視線が突き刺さる。見れば最初に出会った少年がどことなく、怒っているように見える。これはこれは、と肩を下げ少年の肩を軽く叩いてやる。
少年は見上げ不思議そうにしているが、ウインクしてやりその気はないと伝えた。伝わったかは、分からないが。
「じゃあコンボイ司令官、テレトラン1お借りしますね。力になれるかは分かりませんが…」
「構わない。パーセプターと君ならできると信じてるよ、チップ」
「チップだって!?」
コンボイと呼ばれたロボットに話しかけた車椅子の少年。その名前にまさか驚かされるとは。
「僕の名前はチップ・チェイス。お兄さん、どうかされました?」
「あ、いや~…知り合いに、同じ名前の人がいるんだよねぇ。はは、ごめんね? いきなり大声だしてさ」
車椅子に乗っており、眼鏡をかけていかにも好少年といった彼にあの面影はまったく無い。なんという偶然だろうか。
別世界で、ファミリーネームは違えど同じ名前の人物と会うとは。
(もしかして…他にもいるのかねぇ)
コンピューターをいじり始めた少年のチップと、パーセプターと呼ばれた顕微鏡型になるロボット。彼らは己を元の世界に、紅茶を飲んでいた時代に戻そうと『アーク』に来てくれたのだった。
「そうだわ、お兄さん。お腹すいてない? もしよければこれ、食べて?」
「うわぁお、おいしそうだね! いいの?」
「ええ」
カーリーが手にしていたバスケットを開けば、サンドイッチがぎっしりと詰まっている。そういえば茶菓子は食べたが、おいしそうなそれを見れば腹がなるのは当然。
「いっただきまーす」
むしゃむしゃと一気に食べてしまった。
***
お言葉に甘えて難しい計算はチップとパーセプターに任せ、少年・スパイクとカーリーに今までいた世界のことを話すと2人は信じられない顔をしつつも、黙って聞いてくれていた。
「で、俺様は元の時代に戻るため色々方法を探してるんだ。待たせてる奴もいることだしね」
待ち続けているのかは、分からないが。それでも、戻らなくては。
きちんと伝えなければならない。生きてるんだって、捨てたんじゃないんだって。
「戻れるといいですね」
「きっと会えるわ。今はちょっと悪戯してるのよ」
スパイクもカーリーもいい子だ。信じられないはずなのに、こうして励ましてくれる。たとえ、別世界の人間だとしても。
「悪戯にしちゃ、ちょいと度がすぎてるけどねぇ」
戻っても、手が届かずに飛ばされてしまった。叫び声も届いたかすら分からない。諦めなければいいんだ、絶対に会うと誓った。己自身に。
「ちょっと湿っぽくなっちゃったな。よぉーし、ちょっくら運動でもしてくるかぁ!」
腕や足を伸ばして軽く準備し、『アーク』の外へと出る。何をするのかと、2人も後を追ってくる。野次馬なのか黄色と赤い似たようなロボットも着いて来た。
「あれぇ、クリフ。珍しいね」
「たまには俺も見たいんだよ」
「クリフぅっ!?」
大声をあげれば、2人と2体がこちらを一斉に見た。
「…知り合いに?」
「なんだよねぇ…」
スパイクの問いにこくりと頷き、頭を掻く。よもやロボットと同じ名前だとは思ってもいなかった。
外に出て、自慢の獲物を出す。
「危ないから離れててくれよ?」
かちっ、と仕込みを外し、鎖鎌の柄を持ち構える。手ごろな岩を見つけ、それに向かって出した刃を降下させ外す。ぐっさりと切れ込みが入っており、岩の脆さを物語っていた。
「せぇーのっ!」
ヒュンッと繋がれた鎖が空を切り裂き、刃が舞い、それに合わせて踊る。
時折ボウッと刃が燃えたりと、この上ないダンスとなった。
ウォーミングアップには少々物足りないが、仕方が無い。この世界に、あの存在も彼らもいないのだから。
一瞬のうちにバンダナを外し、岩を相手に見立てて技をかけ、着地と同時に巻き直して岩の上に立つ。
「オ・ヤ・ス・ミぃ♪ ……なんちって」
鎌の刃でズタズタになった岩の上に方膝を立てて座れば、拍手喝采。いい暇つぶしになったと空を見上げる。
快晴の元で、ゆるやかな風が吹く。
静寂だった地を、揺るがしたのは外にいるのに迷惑極まりない大音量の音楽だった。
「ブロードキャスト!」
「わわっ、おいら壊れちゃいそう!」
「てめぇ、どこにいてもはた迷惑なやつだな!」
スパイクとカーリーはやや苦しそうにしつつも、外だからか耳をふさごうとはしない。逆に、止めてくれとばかりに黄色のロボットとクリフは耳であろう部分を押さえて叫んだ。
「もう、なんだって分かろうとしないんだよ」
『アーク』から出てきた、おそらくコンボイと同じくらいだろう身長の赤いロボット。
ブロードキャストと呼ばれた彼は胸のパネルを開け、ダイヤルをいじった。少しばかり、音量が下がり人間の2人は息を吐いた。
どちらにせよ、耳が壊れそうなくらいの大音量だったのだろう。
「おっ、アンタだね。別世界から来たお兄さんってのは」
「音楽を流せるとは粋だねぇ。俺様はアクセル・ロウ」
「っかー分かる人はわかるんだね。俺っちはブロードキャスト。よろしくぅっ♪」
ギコガゴゴ、とブロードキャストはラジカセに変形し、ロックを流す。
「気に入ったぜ。選曲も申し分なしとはなぁ」
ノリノリな2人に、スパイクとカーリーは顔を見合わせやれやれと肩を落とし、クリフ達は音楽には付き合ってられない、と『アーク』の中へ戻って行った。
「ところでさ、アクセル」
「んー?」
「その技、どうやって出してんの?」
火の方術のことだろうか。この世界に、方術は存在しない。
「ん~どうやってというか…やってみたら出来た? って感じかなぁ。俺様、考えるのは性に会わないのよ。にゃはは」
「あ、それは俺っちも賛成!」
はははっ、と笑う1人と1体になんとなく違和感を感じないのは似てるからなのか。性格も声も。
「ブロードキャスト、ちょいと相手してくんねぇ?」
「へっ?」
興味を持ったというのもあるが、練習にはなるだろう。
「どうにも物足りなくてね。傷がついたら流石に責任とれないけど」
「…いいぜ。そうそう俺のボディに傷はつかないさ」
「そっか。サンキュー」
ベースにした人物は最高なのに、イレギュラーばかり起こすあのロボットとは違い、ブロードキャストはなかなかに面白い攻撃を繰り出してきた。攻撃技としては多種多様と言うのに、あのロボットとの違いはいったいなんなのだろうか。
(音を武器にするってのはあの女もだったが、こっちは最高にイイ気分にさせてくれる)
高ジャンプをし、鎖鎌を水平に構えて狙いつつ横に回しながら落ちてくれば案の定。
ずがががっ、と鈍い音を発する。
両腕で塞いでいるが、後ろに跳んで鎖を使って獲物を回収すれば相手の間合いの外。いくら音を使うといっても、ラジカセになる機動力の低さはカバーできないだろう。
「ま、俺様の雷影鎖撃(らいえいさげき)を防いだのは誉めてやるぜ? 伊達男…ロボットさんよ」
「人間とは思えない身体能力だけどね、色男さん」
試合前にある程度のデータを取らしてくれ、とブロードキャストは言った。それぐらいのことは別に構わない、とアクセルは許可したがなかなかにてこずらしてきた。本当に、あのロボットもこれぐらいやってくれればいいものを。
ピッ、とブロードキャストが耳らしき部分に手を当てた。
「アクセル。帰れるみたいだよ、君の世界に、ね」
***
パーセプターとチップがコンピューターの画面を指せば、そこにはあの藪医者がいた。
<いやぁ~私の研究は大成功のようだね。良かったよかった>
「何がよかっただよ。元の世界に戻れなきゃ意味無いっての!」
<ああ、それについて詳しく研究したいから帰ったらさっそく聞いてもいいかな?>
本当に、こいつは医者なのかと問いただしたくなる。超身長で首も伸びるし空も飛ぶし、紙袋を被ってたりと人間なのかと疑わしい。
「…いいぜ。じっくりと語ってやるよ」
かしゃん、と刃をむき出しにした鎖鎌がしゃらと音を立てる。
何も無いところに突然出てきたドア。それを開いて、片足を突っ込みつつモニターに向かって叫ぶ。
「試合でな!!」
<ヒィッ!?>
温和な人ほど怒らせてはいけない、そう周りの空気が戦慄した。
「じゃあ会えるかわからないけど、バイバイ!」
にへらっ、と笑ってアクセルはドアと共に向こうに消えた。
嵐の様な人が去って、やれやれとコンボイ達は息を吐く。意気投合したブロードキャストだけは、擦り傷のついた両腕を見て苦笑した。
***
元の世界。飛ばされた未来の時代。
帰ってきたんだと、安心したとたん腰が抜けてしまった。
ドアの先は剣士の友人宅。
「ごめんねぇカイちゃん。カップ、無事?」
「いいんですよ。ティーカップよりもアクセルが無事で何よりです」
「嬉しいこと言ってくれるね。で、あの藪は?」
裏庭にいます、と案内されるとご丁寧に木に縛り付けられていた。縄を解き、一瞬のうちに鎖鎌で体を縛る。
「ひぇぇ、お、お許しを…!」
「だぁーめ。悪いけど、今日の俺様めちゃくちゃ機嫌いいから、本気だしちゃうよ~」
紙袋を被った人間の叫び声が響いた。
ファウストとロボカイファンに殺されるかな…w あのキャラ好きなんだ。
業の呼び方違ってたらすみません。Wiki見ても書いてないんだもん…。
名前と声優ネタが書きたかっただけ!(お前…) チップ・ブロードキャスト:CV.難波圭一
けれども、今回ばかりは「こうなったこと」を考えざるおえなかった。答えはすぐに見つかったけれど。
どしゃっ、といつもの如く飛ばされ受身を取ろうとバランスを崩してしまう。
打ち身に顔をやや歪めながらも立ち上がって辺りを見渡す。そこは広大な砂漠が広がり、人っ子一人いない。かろうじて、休火山と黄土色の物体があるくらいだ。
とりあえず時代を確認すべく、その建物に近づいた。明らかにここは元の時代ではない、だが確認する義務がある。
「っかー、なんか船みたいだな。これ」
黄土色の物体は山に突き刺さっており、その機能を停止しているようだった。
快賊団の船とは出来が違う。人はいないようだが、例の気配も感じられない。
「ちわーっす。誰かいませんかー?」
中は広く、奥が見えない。呼びかけても返事がないのは声が聞こえていないからか、乗員がいないからなのか。
くしゃくしゃとバンダナを巻いた頭を掻き、どうするかと思っていると。
「どうかしたんですか?」
ジープに乗った少年が声をかけてきた。
車から降りて疑うことなく近づいてきてくれた少年に
「ちょーっとヘンなこと聞くけど、今って西暦何年?」
あくまで愛想よく冗談っぽく聞いてみる。バカにされる内容かもしれないが、こちらにとっては死活問題なのだ。
「え、っと、1986年…ですが」
「THANK YOU! あ、ち・な・み・にぃ? 何月何日?」
戸惑いながらも少年が答えれば礼を言って、どうするかと腕を伸ばす。80年代ならばまだ20世紀だが、本来の時代ではない。
せめて知り合いの1人、本人は嫌う例の存在でもある彼がいてくれれば安心できるのだが。
がちゃり、と音がした。
音のしたほうを見れば、そこにはジープではなくロボットがいる。ところどころにジープらしきパーツがついた。
「ふぇっ?」
ロボットはいた。だが、あきらかな機械音とぜんまい仕掛けのような顔の。そのロボットとは程遠いほど、完璧な姿のロボットが目の前にいる。そして、少年は驚く風も無く接しているのだ。
元の時代ではまだお目にしたことのない、二足歩行のロボット。飛ばされた未来ではむしろ失われたテクノロジーとして管理局がつくった友人ベースのロボットしか目にしていない。
「え、あ、あれっ? ジープは? どこ行ったの!?」
キョロキョロと見回してもどこにもない。くすくすと笑い声がして緑色のロボットが掛け声をあげると、瞬く間にジープへと、変形した。
自慢の上着が、肩からずれた気がした。
***
黄土色の船は『アーク』という名前であり、この20世紀は元の時代に近いどころか別世界だというのが分かった。
「空間まで飛んじゃって…俺様ってば天才?」
乾いた笑いしか出ないのは、戻る方法が皆無だからとは口にしない。
なりたくて時間を飛んだわけではない。法力学など、ほぼ体で覚えたようなものだ。難しいとされる雷、時間、空間は知り合いの天才たちに任せるべきだ。最も、時間は使えるようにはなりたいのだが。
「原因は分かるのかね?」
『アーク』にはロボットが大勢いた。この世界に例の存在はなく、純粋に科学が発達しているのだという。法力学
は聞いたことがない、と。
白いロボットが尋ねて、ふと行動を思い返してみる。
「ん~…」
剣士の友人宅でくつろがさせてもらってて、用事を済ませて立派な紅茶を飲みつつ、ふと窓を見れば藪医者が何かを入れたと言っていた。そして突然の感覚。
さーっ、と青ざめていくのが回りの表情から見て取れた。あのロボットには出来ないだろう表情をつくる彼らから。
「わわっ、カップ割れてなきゃいいけどー!? うわーどうしよ、絶対高いよ~!!」
頭を抑えておろおろとしていると、落ち着いてと周りがなだめてくる。それもそうだ、少年以外は己しかいないのだ、ここは大人としてしっかりしなければ…。
「せめて旦那がいてくれればなぁ…」
膝を抱え、指を地面でぐるぐると回す。こういうときほど、会いたくなるというものだ。
がしゃん、と緑と白よりも大きなロボットが、何事かと話している。巨大なモニター、コンピューターだろうかと。
そうしてるうちに、金髪の少女と車椅子に乗った少年が現れた。
少女には反応せざるおえないだろう。
「ヒュー♪ こんな美人さんに会えるなんてね。ねえ君、名前なんていうの?」
さっきまでの落ち込みようはどこにいったんだ、と驚くロボット達を無視し、軽くお辞儀をするとくすりと笑われた。
「お兄さん、お世辞が上手ね。私はカーリーよ」
「本当のことを言ったまでさ。うぅん、素敵だねぇ。やっぱブロンドもいいか、な…と?」
なにやら痛い視線が突き刺さる。見れば最初に出会った少年がどことなく、怒っているように見える。これはこれは、と肩を下げ少年の肩を軽く叩いてやる。
少年は見上げ不思議そうにしているが、ウインクしてやりその気はないと伝えた。伝わったかは、分からないが。
「じゃあコンボイ司令官、テレトラン1お借りしますね。力になれるかは分かりませんが…」
「構わない。パーセプターと君ならできると信じてるよ、チップ」
「チップだって!?」
コンボイと呼ばれたロボットに話しかけた車椅子の少年。その名前にまさか驚かされるとは。
「僕の名前はチップ・チェイス。お兄さん、どうかされました?」
「あ、いや~…知り合いに、同じ名前の人がいるんだよねぇ。はは、ごめんね? いきなり大声だしてさ」
車椅子に乗っており、眼鏡をかけていかにも好少年といった彼にあの面影はまったく無い。なんという偶然だろうか。
別世界で、ファミリーネームは違えど同じ名前の人物と会うとは。
(もしかして…他にもいるのかねぇ)
コンピューターをいじり始めた少年のチップと、パーセプターと呼ばれた顕微鏡型になるロボット。彼らは己を元の世界に、紅茶を飲んでいた時代に戻そうと『アーク』に来てくれたのだった。
「そうだわ、お兄さん。お腹すいてない? もしよければこれ、食べて?」
「うわぁお、おいしそうだね! いいの?」
「ええ」
カーリーが手にしていたバスケットを開けば、サンドイッチがぎっしりと詰まっている。そういえば茶菓子は食べたが、おいしそうなそれを見れば腹がなるのは当然。
「いっただきまーす」
むしゃむしゃと一気に食べてしまった。
***
お言葉に甘えて難しい計算はチップとパーセプターに任せ、少年・スパイクとカーリーに今までいた世界のことを話すと2人は信じられない顔をしつつも、黙って聞いてくれていた。
「で、俺様は元の時代に戻るため色々方法を探してるんだ。待たせてる奴もいることだしね」
待ち続けているのかは、分からないが。それでも、戻らなくては。
きちんと伝えなければならない。生きてるんだって、捨てたんじゃないんだって。
「戻れるといいですね」
「きっと会えるわ。今はちょっと悪戯してるのよ」
スパイクもカーリーもいい子だ。信じられないはずなのに、こうして励ましてくれる。たとえ、別世界の人間だとしても。
「悪戯にしちゃ、ちょいと度がすぎてるけどねぇ」
戻っても、手が届かずに飛ばされてしまった。叫び声も届いたかすら分からない。諦めなければいいんだ、絶対に会うと誓った。己自身に。
「ちょっと湿っぽくなっちゃったな。よぉーし、ちょっくら運動でもしてくるかぁ!」
腕や足を伸ばして軽く準備し、『アーク』の外へと出る。何をするのかと、2人も後を追ってくる。野次馬なのか黄色と赤い似たようなロボットも着いて来た。
「あれぇ、クリフ。珍しいね」
「たまには俺も見たいんだよ」
「クリフぅっ!?」
大声をあげれば、2人と2体がこちらを一斉に見た。
「…知り合いに?」
「なんだよねぇ…」
スパイクの問いにこくりと頷き、頭を掻く。よもやロボットと同じ名前だとは思ってもいなかった。
外に出て、自慢の獲物を出す。
「危ないから離れててくれよ?」
かちっ、と仕込みを外し、鎖鎌の柄を持ち構える。手ごろな岩を見つけ、それに向かって出した刃を降下させ外す。ぐっさりと切れ込みが入っており、岩の脆さを物語っていた。
「せぇーのっ!」
ヒュンッと繋がれた鎖が空を切り裂き、刃が舞い、それに合わせて踊る。
時折ボウッと刃が燃えたりと、この上ないダンスとなった。
ウォーミングアップには少々物足りないが、仕方が無い。この世界に、あの存在も彼らもいないのだから。
一瞬のうちにバンダナを外し、岩を相手に見立てて技をかけ、着地と同時に巻き直して岩の上に立つ。
「オ・ヤ・ス・ミぃ♪ ……なんちって」
鎌の刃でズタズタになった岩の上に方膝を立てて座れば、拍手喝采。いい暇つぶしになったと空を見上げる。
快晴の元で、ゆるやかな風が吹く。
静寂だった地を、揺るがしたのは外にいるのに迷惑極まりない大音量の音楽だった。
「ブロードキャスト!」
「わわっ、おいら壊れちゃいそう!」
「てめぇ、どこにいてもはた迷惑なやつだな!」
スパイクとカーリーはやや苦しそうにしつつも、外だからか耳をふさごうとはしない。逆に、止めてくれとばかりに黄色のロボットとクリフは耳であろう部分を押さえて叫んだ。
「もう、なんだって分かろうとしないんだよ」
『アーク』から出てきた、おそらくコンボイと同じくらいだろう身長の赤いロボット。
ブロードキャストと呼ばれた彼は胸のパネルを開け、ダイヤルをいじった。少しばかり、音量が下がり人間の2人は息を吐いた。
どちらにせよ、耳が壊れそうなくらいの大音量だったのだろう。
「おっ、アンタだね。別世界から来たお兄さんってのは」
「音楽を流せるとは粋だねぇ。俺様はアクセル・ロウ」
「っかー分かる人はわかるんだね。俺っちはブロードキャスト。よろしくぅっ♪」
ギコガゴゴ、とブロードキャストはラジカセに変形し、ロックを流す。
「気に入ったぜ。選曲も申し分なしとはなぁ」
ノリノリな2人に、スパイクとカーリーは顔を見合わせやれやれと肩を落とし、クリフ達は音楽には付き合ってられない、と『アーク』の中へ戻って行った。
「ところでさ、アクセル」
「んー?」
「その技、どうやって出してんの?」
火の方術のことだろうか。この世界に、方術は存在しない。
「ん~どうやってというか…やってみたら出来た? って感じかなぁ。俺様、考えるのは性に会わないのよ。にゃはは」
「あ、それは俺っちも賛成!」
はははっ、と笑う1人と1体になんとなく違和感を感じないのは似てるからなのか。性格も声も。
「ブロードキャスト、ちょいと相手してくんねぇ?」
「へっ?」
興味を持ったというのもあるが、練習にはなるだろう。
「どうにも物足りなくてね。傷がついたら流石に責任とれないけど」
「…いいぜ。そうそう俺のボディに傷はつかないさ」
「そっか。サンキュー」
ベースにした人物は最高なのに、イレギュラーばかり起こすあのロボットとは違い、ブロードキャストはなかなかに面白い攻撃を繰り出してきた。攻撃技としては多種多様と言うのに、あのロボットとの違いはいったいなんなのだろうか。
(音を武器にするってのはあの女もだったが、こっちは最高にイイ気分にさせてくれる)
高ジャンプをし、鎖鎌を水平に構えて狙いつつ横に回しながら落ちてくれば案の定。
ずがががっ、と鈍い音を発する。
両腕で塞いでいるが、後ろに跳んで鎖を使って獲物を回収すれば相手の間合いの外。いくら音を使うといっても、ラジカセになる機動力の低さはカバーできないだろう。
「ま、俺様の雷影鎖撃(らいえいさげき)を防いだのは誉めてやるぜ? 伊達男…ロボットさんよ」
「人間とは思えない身体能力だけどね、色男さん」
試合前にある程度のデータを取らしてくれ、とブロードキャストは言った。それぐらいのことは別に構わない、とアクセルは許可したがなかなかにてこずらしてきた。本当に、あのロボットもこれぐらいやってくれればいいものを。
ピッ、とブロードキャストが耳らしき部分に手を当てた。
「アクセル。帰れるみたいだよ、君の世界に、ね」
***
パーセプターとチップがコンピューターの画面を指せば、そこにはあの藪医者がいた。
<いやぁ~私の研究は大成功のようだね。良かったよかった>
「何がよかっただよ。元の世界に戻れなきゃ意味無いっての!」
<ああ、それについて詳しく研究したいから帰ったらさっそく聞いてもいいかな?>
本当に、こいつは医者なのかと問いただしたくなる。超身長で首も伸びるし空も飛ぶし、紙袋を被ってたりと人間なのかと疑わしい。
「…いいぜ。じっくりと語ってやるよ」
かしゃん、と刃をむき出しにした鎖鎌がしゃらと音を立てる。
何も無いところに突然出てきたドア。それを開いて、片足を突っ込みつつモニターに向かって叫ぶ。
「試合でな!!」
<ヒィッ!?>
温和な人ほど怒らせてはいけない、そう周りの空気が戦慄した。
「じゃあ会えるかわからないけど、バイバイ!」
にへらっ、と笑ってアクセルはドアと共に向こうに消えた。
嵐の様な人が去って、やれやれとコンボイ達は息を吐く。意気投合したブロードキャストだけは、擦り傷のついた両腕を見て苦笑した。
***
元の世界。飛ばされた未来の時代。
帰ってきたんだと、安心したとたん腰が抜けてしまった。
ドアの先は剣士の友人宅。
「ごめんねぇカイちゃん。カップ、無事?」
「いいんですよ。ティーカップよりもアクセルが無事で何よりです」
「嬉しいこと言ってくれるね。で、あの藪は?」
裏庭にいます、と案内されるとご丁寧に木に縛り付けられていた。縄を解き、一瞬のうちに鎖鎌で体を縛る。
「ひぇぇ、お、お許しを…!」
「だぁーめ。悪いけど、今日の俺様めちゃくちゃ機嫌いいから、本気だしちゃうよ~」
紙袋を被った人間の叫び声が響いた。
ファウストとロボカイファンに殺されるかな…w あのキャラ好きなんだ。
業の呼び方違ってたらすみません。Wiki見ても書いてないんだもん…。
名前と声優ネタが書きたかっただけ!(お前…) チップ・ブロードキャスト:CV.難波圭一
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鷹橘 緋赤
年齢:
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性別:
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誕生日:
1988/12/25
職業:
バイト
趣味:
小説・絵・漫画かき
自己紹介:
トランスフォーマーファン。
スパリン大好きで初代も好き。ブロードキャスト(Blaster)/ブロードブラスト関係は俺の嫁!! ←
最近はTOS熱。061,614派。
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