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日記後継ブログー2009/7/1 start 日常+雑多メイン。更新停止中
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 1は前回の記事。
 続き。


 …両方知った上で書いてあるけど、あとがきみたいな補足記事作るかなー。

 奪還、という感じではないけれど。「不思議な技」が「魔術」であるならば放っておくわけにはいかない。
 呪術師(ブゥーディスト)が魔術として使っているならば放っておくわけにはいかないのだ。
 ここが生まれ故郷や逃亡生活によった土地ならば放っておく。無限城であるということが体を動かした。
「蛮ちゃん、マクベスが言っていた不思議な技って…」
「ああ、魔術…魔法だな」
 2人組みのうち、二刀流の方は刀のみであり問題は長髪の方だ。
「銀次、五芳星って知ってるか?」
「え? それって星の形の?」
「そうだ。あれは陰陽術…古代中国の魔法みたいなものでな。火は土を生み、土は金を生み、金は水を生む」
「えっと…」
「まあ簡単に言っちまえば属性だ。ゴムが電気を通さないのと同じことだよ」
 ふぅーと蛮は煙草の煙を吐いた。
「それが関係あるの?」
「大有りだ。聞けばそいつは風、火、土、雷を使うって話じゃねーか。魔術ってのは方式によって生み出される。特に雷を操るのは相当難しいって話だぜ?」
 大きな紫煙が空に消えていく。
「ん、それじゃあ…オレって物凄いの!?」
 ごちんっ! と大きな音を立てて銀次はうずくまった。
「アホ! お前は体内で生成してるだろーが! 方式からしてまったく違うわボケ!」
「蛮ちゃん…ハンマーはやめて欲しいのです…」
 蛮の肩には巨大なハンマー。ったく、と頭をかきむしる彼を銀次は涙目で見た。
 魔術。魔女や魔法使いが使う技。魔女であれば仕えるだろう技を、突如現れた男は使っている。
 銀次が知っている魔術が使える男の魔女は2人。1人はどうしているのだろうか、あれ以来会っていない。もう1人は目の前にいる、魔女の中でも女王(クイーン)と呼ばれた祖母を持つ彼。
「…ねえ蛮ちゃん」
「あん?」
「奪還のお仕事じゃないけど、引き受けたのってそれだけじゃないよね?」
 立ち上がり、まっすぐに見てくる銀次。
「無限城でロウアータウンだから…なんでしょ?」
 微笑む彼に蛮は頭をかきむしり「まぁな」と答えた。
「えへへ、蛮ちゃん大好き!!」
「だぁー、抱きつくなっての!!」


 見知らぬ街で迷うのは当然だ。だからと言って曲がり角を通ったところで見るべきものではなかった。
「何、あれ…」
「ん? …おーおー楽しそうだな~。んじゃ俺さまも♪」
「っ重い! 離れろ!!」
 のしっともたれかかるゼロスに、ロイドは肘鉄を打つ。いつもの突っ込みに声を潜めるのを忘れていた。
『ん?』
 目の前の2人が、気づいた。
「やばっ…」
「逃げるぞ、ロイド!」

***

 例の2人組み。茶色い髪に赤い服の二刀流、赤く長い髪の剣と盾。
 明らかに場違いというかどこの国なのか問いただしたくなるような服装。
(あいつらのスピードはなんだ? 上層階(ベルトライン)の奴か…?)
 追いかけながら、蛮はふると頭を振った。上層階ならばなんらかの動きをしてくるはず。彼らはほぼ無差別なのだから。
「ちっくしょー! なんで俺ら逃げてるんだ!?」
「そりゃそーだ」
「お前が逃げろっつったんだろ!?」
 蛮や銀次が追いかけてもなかなか追いつけないスピードの2人組み。常人ではないその速さに銀次は思い返す。
「でもオレのときと変わってるしなぁ…」
 ふいに、長髪の男が振り返った。
「ロックブレイク!」
 地面が割れ、岩が生えてくる。
「わわっ!?」
「スネークバイトッ!」
 生えてきた岩を蛮の右手が粉砕した。
『うっそー!?』
 やはり蛮の技には、流石の2人組みも声を上げてスピードを緩めてしまったようだ。くすくすと銀次は笑い、蛮の視線に気づいた。
「こっちの番だね! ごめんねっ!!」
 バンッ! と地面に流れるアース線を見つけ、そこに両手を叩き込みながら電流を流す。彼らの獲物は金属だ。そうでなくとも金属らしきものがある。
 しびれつつ、今度は上空から青い剣が降ってきた。避けれなかったものの
「サンダーブレイドッ!」
 ぴりっとしただけでさほどダメージはない。むしろ蓄積された感じを受ける。
「あっれ、効かないの~?」
「何やってんだよゼロス!」
 あーもー、と二刀流が剣を抜いた。それは金属ではなく赤と青色の刃。
「魔神連牙斬!」
 空気の刃が連続で地面を這う。これにはやばいと蛮も銀次も飛び上がる。着地したときには2人組みの姿はなかった。

***

 逃がしてしまった。これでは依頼を達成したことにはならない。
「あうう、焼肉が~」
「諦めるにはまだ早ぇーぞ銀次。とりあえず、長髪野郎の名前が分かったんだ」
「名前が分かってもさ、どうしようもないんじゃないの? オレの電撃は通じたけど」
「オレの記憶が正しければ、ゼロスなんて術師は聞いたことがねぇ。それにあれは呪術ではなく魔術だ。つーことはだな…」
「…呪術使じゃないってこと?」
「正解」
 わしゃわしゃと蛮は銀次の頭を撫でた。気持ちよさそうにする彼はふと携帯を蛮の胸ポケットから取り出す。
「ん?」
「マクベスに連絡して、あの2人を見つけてもらうんだ。きっと、人の少ないところにいるだろうから、カメラに映るんじゃないかな」
 銀次の提案に、さらに頭をくしゃくしゃに撫でてやればくすぐったそうに笑う。
 やはり、どこかしらは感がいいのだろう。

 続く。

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